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スタッフコラム 2 〜季節の気配にふと足が止まる〜

スタッフたちが日々の訪問先で出会った、ご利用者様との小さなできごとや気づきを綴ります。

瀬谷区の施設にお住いのKさん(78歳)
「普段はあまり口数が多くないKさんが、ぽろっとこぼした思い出話ににっこり。」

ずっと部屋で寝ていることが多く、リハビリはあまり気が進まない日も。
もともとお散歩は好きだったと聞いていたのですが、「歩くの疲れちゃうしねぇ」と笑いながら、ベッドに横になって過ごす時間がほとんどになっていたようです。

そんなある日、施術のあとに「今日は天気がいいですよ。ちょっと外の空気吸いに行ってみませんか?」と声をかけてみました。
すると少し間をおいてから、「行きましょうか」と、ゆっくり立ち上がってくれました。
玄関を出て、建物の裏側にまわると、Kさんの足がピタッと止まりました。
視線の先には、ビワの木があり、葉の間から薄いオレンジ色の実がいくつか顔をのぞかせています。

「あ、ビワがなってるね、おいしそうだね」
「うちにはなかったけど、近所に生えててね。あんまり食べた記憶はないけど…こうやって見ると、きれいな色だねえ」

Kさんはそう言いながらじーっとビワの木を見上げて、小さく笑いました。
その後も、「ビワって、種が多いのよね」など、ぽつぽつと話が広がっていきました。
普段はあまり口数が多くないKさんが、ぽろっとこぼした思い出話に隣の私も思わずにっこり。ほんの10分ほどのお散歩でも、外に出たことにより表情も声も、普段と違ってずいぶんやわらかくなった気がしました。

外の風や季節の色にふれることで、こうして人の気持ちが動くこともあるんだと、あらためて感じた時間でした。
お部屋に戻る足取りはいつもより軽やかに感じました。

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