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【院長コラム 技術編】第四回「押し方の達人になる」

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第四回:押し方の達人になる

 

“押して治す”は可能か?

 

押して治療効果を出すこと、それは可能です。
特に、部分的にストレッチするという唯一無二の技の効果が出せます。

 

押すという手技は、体重を乗せて圧をかけるわけですから、相手の身体への影響が非常に大きいものです。
だからこそ、基本手技が何よりも大切です。

 

 

 

浪越徳治郎先生の思い出

 

余談ですが、「指圧」という言葉は、あん摩の手技の一つ「拇指圧迫法」を、浪越徳治郎先生が指圧と命名し、創造された民間療法です。これを国家資格にまで発展させた、一代で、あり得ないくらいもの凄い事です。

 

学生の頃、一度だけ直接ご指導を頂いたことがあります。
優しく笑顔で小柄ながら、迫力のある先生でした。私が最も尊敬する治療家の一人です。

 

 

 

押す技術で最も注意すべきこと

 

押すときに、よく見かける失敗が「押し続ける=寄りかかる」手技です。
これはNGです。

 

あるところまで押したら、必ず止める。
戻るときに相手を押しながら戻ってしまうのも絶対に避けなければなりません。

 

このためには、下半身の安定が不可欠です。両足を揃えたままでは寄りかかるだけになってしまいます。

 

常に下半身を安定させ、「自力で押し、自力で戻る」。
これが押し方の基本であり、武道経験者が指圧に強い理由もここにあります。

 

 

 

わたしなりの「指圧の三原則」解釈技術

 

指圧には「垂直・持続・集中」という三原則があります。
わたしなりの解釈は次の通りです。

 

・垂直圧:芯に向かって真っすぐ入れる
・持続圧:一定のスピードで「押し・止め・戻す」を行う
・集中:Don’t think, feel. 心と気を込める

 

そしてもう一つ大切なのは、相手の呼吸を感じながら施術することです。
呼吸と圧が合ってくると、相手の身体が自然と受け入れてくれる瞬間があります。

 

集中して行われる上手い指圧は、驚くほどあっという間に90分が過ぎます。
揉み返しもなく、心から感動できる施術です。

 

 

 

訪問マッサージでは応用して使う

 

訪問マッサージの現場では、筋力も骨格も弱い超高齢者が多いため、強い圧の指圧を使う場面は多くありません。

 

しかし、「応用して使う」という前提で、しっかりと基本を身につけておくことがとても大切です。
指圧は、武道家が型を磨き続けるように、一生研鑽し続ける技術だと私は思っています。

 

 

 

指圧とあん摩の違い、両方マスターしてほしい

 

指圧は手首をロックして押す技術。
あん摩は手首を柔らかく使い、リズムよく動かす技術。
似ているようで、まったく違います。

 

訪問マッサージでは基本的にあん摩を主に使います。
私自身もあん摩が得意で多用しています。

 

しかし、治療家として長くやっていきたいなら、ぜひ指圧もマスターしてほしいのです。

 

特に「ホンモノの持続圧」ができるかできないかで、今後の手技療法の力に大きな差が出ます。
持続圧には、高い鎮痛効果があります。

 

 

 

押す技術を、一生の財産に

 

“押す”という行為は、シンプルでありながら、とても奥深いものです。
だからこそ、若いうちに“押す職人技”を身につけておくことは、治療家としての一生の財産になります。

 

一生をかけて磨く価値がある「押し方」。
みなさんにも、ぜひプロの技を身につけるまで追求してほしいと願っています。

 

 

次回は、「もみ方の達人になる」。

 

 

 

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