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【院長コラム 技術編】第三回「摩り方の達人になる」

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第三回:摩り方の達人になる

 

摩擦法は“奥深い技術”

 

「ただ撫でてるだけでしょ?」
素人ほど、軽擦(けいさつ)法を簡単な手技と捉えがちですが、
この技こそが、一番練習するべき“手技の基本”ですし、治療効果性を一番出せる手技だとわたしは思い大切にしています。

 

摩り方というのは、単なる慰安や気持ちよさではなく、
副交感神経と交感神経のスイッチを操作できる技術です。

 

ゆっくり優しく摩ると、副交感神経が優位になり、リラックス・安心・眠気を誘います。
早く強く摩ると、交感神経が働き、活性化・元気・やる気が引き出されてきます。

 

クスリでは上手くコントロールできないことを、摩る違いで目的に合わせて使い分けられるのが、摩りの面白さであり、奥深さでもあります。

 

 

 

技術的な基本は「密着・均等・リズム」

 

摩り方の基本はシンプルですが、手を接触させる密着度が一番大きいのでごまかしがききません。

 

・手のひら全体が密着していること
・均等な圧がかかっていること
・リズムよく、心地よいテンポで動いていること

 

この3つのどれかが欠けると、たちまち“雑な手”になります。
そして、左右の手の差があるのもNG。
手汗をかくのも、触られた方が気持ち悪いだけでなく、滑りが悪くなり良くありません。
(手汗をかくのは貴方が緊張しているからです)

 

利用者さんには敏感に伝わっていますし、上手い人と比較されています。

 

また、体の曲線に合わせて密着度を一定にし続ける技術も難しいが大切です。

 

 

 

接触から融合、そして“活力”をつくる

 

摩り方も、「触れる」から始まり、徐々に動きを生み、
相手と“融合”していくプロセスの中で、意図を込めて施術するものです。

 

とくに超高齢者の場合、交感神経の働きが低下していることが多く、
リラックスばかりを促すような施術では、
かえってうつ症状や認知症の進行を助長してしまうこともあります。

 

だからこそ、終盤にはテンポを上げて、しっかり元気を出してもらう摩り方が必要です。
最後に「おー、なんか元気出たな」と感じてもらえたり、自然と日常の活動性が上がるような施術こそ、
摩りの力が最大限に活かせた証拠です。

 

軽擦法だけで、全身の施術をして楽にできるようになる――
それくらい練習し、磨き上げておくべき技術です。

 

 

次回は、「押し方の達人になる」。

 

 

 

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