
訪問マッサージという仕事には、必ず「移動」がついて回ります。
治療がどれだけ得意でも、ご利用者様の元へ辿り着かなければ始まりません。
私たちの専門は、鍼灸やマッサージ。運転のプロではありません。
中にはペーパードライバーで入社するスタッフもいます。
それでも、安全に、時間通りに、効率よく。
この「移動の質」は、1日の訪問件数や売上に直結し、つまりはスタッフの所得にも関わってきます。
だから私は、スタッフの「運転環境」にずっとこだわってきました。
というのも、私自身が25歳の頃、バイクで出張マッサージをしていたからです。
深夜まで走り回り、夏は汗だく、冬は震えながら。
休む場所を見つけるのも一苦労で、お金もかかる。
深夜の坂道、雨の交差点、何度か「死ぬかも」と思うくらいヒヤッとしたこともありました。
正直、泣きたくなる日も多かったです。
でも若かったからできた。今思えば、労働環境の悪さに耐えること自体が仕事だったように思います。
私たちは治療家であって、デリバリードライバーではありません。
バイクに乗って移動している時間は、本来の専門性とは関係がない。
けれど、それでも移動しなければ、ご利用者様に会うことはできない。
だからこそ、経営者になったときに心に決めていました。
「自転車やバイクには乗らせない」
「移動も仕事のうち。だからこそ、快適で安全であってほしい」 と。
創業当初は、中古の軽自動車をかき集めるところから始まりました。
やがて少しずつ、新車も買えるようになり、今ではあえて中古のハイブリッド普通自動車「アクア」(トヨタ)を全社で選んでいます。
理由は明確です。エアコンがよく効き、燃費がよく、走りもキビキビ。
なにより、万が一の事故のときに、軽自動車やバイクよりも命を守ってくれる可能性が高い。
保険や税金は上がります。正直、コストはかかります。
けれど、スタッフの命と働く環境を守ることに、私は迷いながらもコストをかける価値があると信じています。
この結論にたどり着くまで、15年以上、悩み、試し続けてきました。
治療技術と同じように、「移動」も大事にされる職場でありたい。
それが、現場で働く仲間たちへの、私の想いです。

そんな会社の想いを乗せた車で移動する先生たち。
車内でのリアルな工夫をまとめました。
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