【院長コラム 技術編】第二回「触れ方の達人になる」
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第二回:触れ方の達人になる
「接触は、最高度の“挨拶”である」
施術において、最初に行う「触れる」という行為。
これは単なる動作ではなく、“心の挨拶”です。
そして、挨拶に「上手い・下手」があるように、触れ方にも確実にあります。
実は、挨拶よりもずっと難しいのが“触れる”ということ。
ファーストタッチを失敗すると、心の信頼を回復するのはとても難しく、時間がかかります。
逆に、最初の一瞬で「この人なら大丈夫だ」と思ってもらえたら、その後のすべてがスムーズに進みます。
リピートするかどうかにも影響する重要な場面です。
考えてみてください。
「人に触れるというのは、国家資格が必要なほど“特別な行為”」です。
触れるよりだいぶ手前に、自分と相手との心理的な“境界線”があります。
それを越えて入っていくプロセスには、とても繊細な段階が必要になります。
わかる人はわかっているのですが、簡単に言うと――
最初に接触するまでの「間合い」、そしてタッチの瞬間の“質”がすべてを左右します。
わたしは、触れる前には以下を意識しています
• リスペクト・信用・慈愛といった肯定感をベースにすること
• 自分自身の呼吸を整え深くし、力を抜いてリラックスしておくこと
• 自分が安心し、これからの施術を楽しむこと
この状態で触れられた相手は、「恐れ」「拒否」ではなく、「安心」「喜び」を受け取ってくれます。
接触とは、自分と相手が交わる“最初の入り口”。
その時間はお互いが一番緊張しますが、緊張ではなく“楽しむ”くらいの気持ちで触れてこそ、手が自然に反応し、観察力や発想力も高まります。
そして、もう一つ大切なのが「離れ方(分離)」です。
接触と同じくらい、分離も丁寧に行います。
「離れること」そのものが不安になる“分離不安”な人がいます。
わたしもそのタイプで、寂しがり屋で甘えんぼ系です。(挨拶の中では、別れ際の挨拶が一番苦手です)
赤ちゃんや認知症の方、超高齢者など、自己表現が難しい繊細な方には、特に丁寧に行います。
急にスッと手を離すのではなく、相手の“気”が落ち着いたタイミングを見て、静かに手を引く。
この“離れ方の上手さ”も、触れ方と同じくらい大切で、下手だと今までの挨拶が台無しになりかねません。
こうした「触れる・交わる・離れる」の感覚を、単なる作業で終わらせず、
相手との関係性をつくり楽しむ“技術”として理解し、人格として日々研鑽する施術者になってほしいと思っています。
余談というか今回の話の本質ですが――
挨拶(接触・交わる・分離)が上手い人は、人にモテます。
